㩒手ガンサウ
小念頭と㩒手の関連 小念頭は、技を覚えるための型ではなく、 身体の使い方と意識の在り方を養うための根本訓練である。
ガンサウにおける「交わし・交差・侵入・崩し」は、 すべて小念頭の中で培われる原理に基づいている。
① 軸と沈み(重心) 小念頭では、常に身体の軸を立て、 余計な力を抜きながら重心を安定させることを学ぶ。 㩒手で体当たりのように入れるのは、 力任せに押すためではなく、 安定した自分の軸を相手に重ねるためである。 軸が立っていなければ、 㩒手はただの衝突になり、逆に崩される。
② 肘の位置と腕の交差 小念頭で繰り返す攤手・枕手・伏手の鍛錬により、 肘は常に下に落ち、中心線を外さない。 この肘の感覚があるからこそ、 㩒手で腕を交差した瞬間に、 相手の力を受け流しつつ制することができる。 腕で勝とうとした時点で、 小念頭から外れている。
③ 全身一致(手と足と体) 小念頭では、 手だけが動くことを厳しく戒める。 㩒手においても、 腕の操作と同時に足・腰・体幹が進み、 全身が一つの塊として相手に触れる。 この全身一致があるから、 体当たりのような侵入でも、 相手のバランスだけを崩し、自分は崩れない。
④ 意識の方向(前にあるものを取る) 小念頭で養うのは、 「相手を倒そうとする意識」ではなく、 前にあるものを自然に取る意識である。 㩒手も同じで、 急所を狙おうと考えた瞬間、動きは遅れる。 崩れが生じた場所に、 自然と手と体が入る それが小念頭から生まれた㩒手である。 まとめ 㩒手は小念頭の応用であり、 小念頭はガンサウのために存在しているとも言える。
小念頭を疎かにすれば、 㩒手はただの荒い体当たりになる。 小念頭が身体に染み込んでいれば、㩒手は触れた瞬間に勝敗が決まる。
① 攤手・枕手はどう㩒手に変化するのか 結論から言います。 㩒手は新しい技ではない。 攤手と枕手が「同時」に起きた状態です。 攤手 → 受け流しの役割 攤手は、相手の力を止める手ではありません。 攻撃線をわずかに外し、力の方向をずらす手です。 この「ずらす」感覚があるから、 㩒手で腕が交差した瞬間、 相手の力はもう中心に届いていません。 枕手 → 支点と侵入 枕手は、相手を押す手ではなく、 自分の身体が前へ入るための支点です。 肘が落ち、肩が緩んだ枕手は、 相手に触れた瞬間に 「ここから体が入る」という通路を作ります。 攤と枕が同時に起きる瞬間 攤で外し、 枕で受けるを別々にやると遅い。 㩒手では、 攤の性質を持った腕と、 枕の性質を持った腕が交差しながら同時に働く。 だから見た目は「交差した一つの手」に見えるが、 中身は攤と枕が噛み合っている。 これが㩒手です。
② なぜ㩒手は「体当たり」に見えるのか これは多くの人が誤解します。 理由① 腕が仕事を終えているから 攤手・枕手が正しく働くと、 腕は「邪魔をしない位置」に落ち着きます。 すると、 次に前へ出てくるのは体幹です。 外から見ると、 腕が何もしていないように見え、 体だけがぶつかっているように見える。 前進力が途切れないから 小念頭で養う前進意識は、 「押す力」ではなく 止まらない進行です。 㩒手では、 攤・枕で接触しても前進が止まらないため、 相手からすると 「急に体ごと来た」ように感じます。 結果、体当たりに見える。
③ 相手の軸だけが崩れるから 正しい㩒手は、 自分は崩れず、相手だけが崩れます。 外見上は、 自分が強くぶつかったように見えるが、 実際には 自分の軸を相手の軸に重ね、 相手の軸だけを外している。 この差が分からないと、 「体当たり」という言葉しか出てこない。
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